突然ですが僕はラウンドファスナー長財布を作るのが苦手です。
↓こんなやつですね。
財布の基本的な「形」としてはもっとも作るのが難しいと思っています。
でも、とりあえずこれ作っておけば財布作ってることになるわ…ってくらい、財布の中では定番となっています。
ラウンドファスナー長財布の何が難しいのか?
- ファスナーを貼るのが難しい
- マチの幅を決めるのが難しい
- 個性を出すのが難しい
- 最後のまとめ縫いが難しい
挙げていくとキリがない気がします…。
サイズの調整をしながら設計を繰り返し、ファスナー貼りも練習してうまくできるようになって、それでもひとつひとつレベルアップしてきました。
ただ…最後のまとめ縫いだけが、うまくいきません。
ラウンドファスナー長財布の中身は、だいたいこんな感じ。
中央にコインケース、左右にカード段。それをつなぐマチ。
作り方のアプローチが違ったり、仕切りがもっとあったり、いろいろ種類はありますが基本の形はこれです。
まとめ縫いとは、内装のすべてのパーツと、外装の革を縫い付ける、一番最後の縫製工程。
ここでミスをすると、時間をかけて作ってきた全部の作業が一瞬でダメになります。
(ちなみにだいたい、内装パーツを仕上げるだけで3~4時間以上かかります)
正直に言うと、手縫いならミスしません。おそらく一番きれいに仕上げることができます。
ミシンを使って縫製するとミスが起きます。
ではなぜ何時間もの作業が無駄になるかもしれないミシンを使うのか。
それは、ここで手縫いを選んでしまうと負けだからです(笑)
そのあたりのこだわりはまぁ、置いておいて…。
でも結局、僕は負けたのだと思います。ラウンドファスナー長財布に。
負けたからと言って、すごすご退散したりはしません。
これは逃走ではない。転進なのだ。
基本的な内装パーツの作りでミスが起きるなら、ミスが起きないような内装を考案すればよいのでは?
さらに、作りやすくて使いやすい。値段もリーズナブルで済むような「作り手」と「買い手」がwinwinになれるようなものを考え出せばいいじゃないか。
その僕なりの答えが、表題の「がばっと開いて小銭の見やすい長財布」です。
つづきます…。